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竣工物件紹介「住宅型有料老人ホーム 寿福の郷 今川」

 

大阪市東住吉区今川4丁目有料老人ホームPROJECT

『住宅型有料老人ホーム 寿福の郷 今川』

 

 

住宅と倉庫などが建ち並ぶ今回の建設地に有料老人ホーム計画がスタート。

 

北・西側道路の角地で、西側道路を挟んで用水路があり、

 

南側は木造2階建ての長屋が建ち並びその向こうは小学校。

 

朝夕は通学の児童で賑わう。

 

 

当社がツーバイフォー専門の建設会社である事を承知の上での依頼である為、

 

木造で出来る事・難しい事を整理しプランニングを始めた。

 

 

設計コンセプト為るものは「終の住処」として「木」の持つ「優しさ」「温かさ」「柔らかさ」

 

入居者に提供する事で共同生活の煩わしさを少しでも和らげ、

 

豊かな気持ちで毎日を過ごしてもらいたいと思うところからスタート。

 

 

都市型の施設はどうしても計画敷地にゆとりが無く、

 

上下の移動が多くなりエレベーターの設置は必須となる。

 

 

当初計画では3階建て50戸程度であったが、

 

事業収支的にもう少し住戸数を増やしたいという事で、

 

最終4階建て75戸となり延床面積も2000㎡を越える規模になった。

 

 

当然、構造及び省エネ適合判定それにCASBEEと法的にも責任が増える。

 

建物のサステナビリティへの関心が高まる中、

 

省エネのみに限定される環境性能ではなく、

 

音・光・換気など住み心地に大きく影響する要素を客観的に評価し、

 

近年強く要求される企業のCSRでも最重要と位置付けられる。

 

 

この建物では、各住戸間の壁は認定耐火構造仕様の界壁、

 

床は同左の界床としているので住戸間の独立性は高いレベルで守られている。

 

 

老人ホームの特質上上下階の移動はほぼエレベーターに頼ることになり、

 

乗用・寝台用の2台が食事等のピーク時には混雑する事は否めない。

 

通常時を考えるとこれ以上の台数設置は無駄であるが4階から1階食堂への人の流れは

 

計画時からの懸案事項ではある。

 

 

また、施設系建物の時流は真四角で味気ない鉄骨ALC造が多く見受けられるが、

 

部屋数を効率良く建設費を抑えていくには致し方無いのかもしれない。

 

 

従前個性的な輸入住宅を専門としていた当社的にはそれでは寂しすぎる思いが強く、

 

折角新築するのであるから地域のシンボル的な建物である方が入居者は勿論、

 

地域の人々も興味を持っていただける。

 

 

不必要に映るかもしれない外装に装飾を多く使用することで建物の質、

 

入居者の満足感が費用以上に向上することは間違いない。

 

周囲には共同住宅も存在するが木造2階建て住宅が多く、

 

その中に施設系ましてや4階建てを新築する事は反対意見・運動が充分に予想できたが、

 

「木造の…」という近隣への説明で、

 

「木造で4階建て出来るの?」と興味津々の質問が返ってくる事の方が多く、

 

なんとなくわかる木造への安心感がそうさせるのかと思われる。

 

 

基本的にはレンガ積を感じさせるサイディングと明るく軽快な印象のサイディングの

 

上下貼分けとすることで、

 

重厚感を持ちつつ明るさも併せ持つ外壁に寄棟屋根と周囲の住環境に溶け込むよう計画。

 

また、無開口壁となる階段室・西側川沿いの遠目に目立つ外壁には手の込んだ

 

アーチを組み合わせた装飾をすることで楽しさや運営会社の方針なども表現している。

 

良きにつけ悪しきにつけこだわりを持った建物・運営であるという宣伝効果は

 

上げているように思う。

 

 

私同様木造を得意とする設計士との間で良く出る話題であるが、

 

RC造マンションで育った人と木造住宅で育った人の歩き方の違いがある?という話。

 

木造で育った人は過去に経験があると思うが踵をついてドンドンと歩くと静かに歩け!

 

と怒られる。

 

家の特に2階は柔らかく歩く所作は幼い間に身についていて、

 

家の中はドンドンと歩くものではないという事が、

 

体にも頭にも自然と染着いていく。

 

反対にRC造のマンションで育った人は外を靴で歩く時と同じように歩き走る。

 

どちらがどうという事ではないが、

 

RC造マンションでしか生活をしたことが無い人の割合が年々増えていく中、

 

上下間は勿論左右の音・振動に木造系設計士・施工業者は

 

これまで以上の細心の注意を払いつつ、

 

革新的な方法の研究開発に努めて行く必要がある。

 

 

 

今回計画は、枠組壁工法4階建て有料老人ホーム

 

耐火構造で一部屋上物干し場となっている。

 

 

構造として悩ましい所は1階に食堂・プレイルーム等の大空間がある事で、

 

1階のみ鉄骨又はRC造とする提案もさせて頂いたが、

 

純粋に枠組壁工法で設計していくという事で食堂内の机配置、

 

見通し性を耐力壁の配置、必要壁量の逆算から設計。

 

大スパンを支持するマグサも下部が圧迫感無く使用可能な高さを2.2mとして

 

集成材サイズを限定し逆算からスパンを決定した。

 

 

エレベーターを利用するのであるから最上階に大空間の食堂をとの提案もさせて頂いたが、

 

住戸の環境を優先し1階に共用の部屋・管理運営の空間を集約。

 

後日談では最上階の食堂も可能ではと次回以降の検討課題となった。

 

法的な制約・周辺住環境の保全という意味から日影の規制に手こずる事になり、

 

北側6m道路が有るので現地調査の感覚的には4階建てに無理は感じなかったが、

 

いざ東西45mのプランをあてはめると当初予定の階高ではまるでクリアせず。

 

階高調整を掛けるには照明・換気・空調・スプリンクラ—など設備系の配管が収まってこない。

 

無理やり図面は収めたものの完成まで電気・設備業者と現地で奮闘する羽目になった。

 

 

 

また、耐火建築物ということで建物重量が大きくなっていることもあるが、

 

同程度のRC造であれば間違いなく20m越えの場所打ち杭が必要となる所であるが、

 

柱状改良で十分支持できる重量であった。

 

 

工期的にはひと月以上の短縮で、

 

後々地中深く迄コンクリートの柱を残していかなくて良い事になる。

 

同程度の目的・強度を持つ建物の重量はRC造・S造に比べて圧倒的に木造が軽量であり、

 

当該地のような軟弱地盤である場合は木造が有利になってくる。

 

 

 

プラン・構造的な制約などは他の構造よりも多いのが実情であるが、

 

施工・接合金物技術の向上、設計力の研鑽を続けていくことで、

 

入居者・地域・環境に優しく楽しいツーバイフォーの建物を目指していきたい。

 

 

 

 

 

㈱ケーティアイ建設工業  松浦

 

 

<寿福の郷今川の実例集はこちらから>

 

 

物件名/寿福の郷今川

物件所在地/大阪府大阪市東住吉区今川4丁目21-1

総戸数/77戸 延床面積/2070.78㎡

構造・階数/木造ツーバイフォー工法・4階建て

竣工時期/2021年10月

 

 

こちらの建物は我が社最大規模の設計施工した建物になります。

 

全国でも都市部での木造4階建て老人ホームの建築はほとんど事例がなく

 

ツーバイフォー工法で弊社に発注していただいたお施主様に大変感謝しております。

 

KTIでは施設系建物からデザイナーズアパートまであらゆる建物を

 

ツーバイフォー工法で設計施工致します。

 

500棟以上建築している実績と技術力がございますのでお任せください。

 

 

土地活用・賃貸住宅経営をお考えの方は、

賃貸アパート・デザイナーズアパート建築のパイオニアである

私たちケーティアイ(KTI)建設工業までお気軽にご相談くださいませ。

スタッフ一同、ご相談を心よりお待ち申し上げております。

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